春
雪代で山の水音が大きくなります。湯けむりと残雪が同じ視界に入ります。
- 残雪と湯けむり
どろゆおんせん
灰色の湯が沸く、山あいの小さな湯治場。

数軒の宿だけの小さな温泉地。名前のとおり灰色がかった濁り湯で、川原毛地獄の白い山肌とは谷ひとつです。江戸期から続く湯治場の空気が濃く、立ち寄り湯でも時間の流れが変わります。
宿は谷底の窪地に肩を寄せ合うように建っていて、周囲を山肌と湯けむりに囲まれます。携帯の電波も細い場所なので、つながらない時間ごと楽しむ心づもりで行くとちょうどいいです。
泥湯という名ですが湯船に泥があるわけではなく、鉱泥の成分で灰色に濁る湯を指します。すぐ上の川原毛地獄が「死の山」、ここが「生の湯」という対の配置で、歩いて下ってくると土地の物語として腑に落ちます。
雪代で山の水音が大きくなります。湯けむりと残雪が同じ視界に入ります。
標高のぶん朝夕は涼しいです。川原毛からの下り道はこの季節がいちばん歩きやすいです。
ブナの紅葉が宿の屋根まで下りてきます。硫黄のにおいと落ち葉のにおいが混ざります。
雪に埋もれます。冬期の営業と道路はその年ごとに確かめてください。
小安峡温泉に泊まると谷全体が近くなり、朝の大噴湯を独り占めできます。湯沢市街はビジネス系で、酒蔵めぐりと組むならこちらです。