
秋田の土産を選びに行く
使うほど育つ工芸と、家に帰ってからも旅が続く食。秋田の土産は「どれを買うか」より先に「どこで基準を見るか」で決まります。選び方の型を一枚にまとめました。
一生ものからの逆算
秋田の工芸は、藩政期の内職や暮らしの道具から育ったものが中心です。飾って終わりではなく、茶筒も椀も曲げわっぱも、毎日使うほど艶と手ざわりが育ちます。
先に本物の基準を見てから買うのが賢い順序です。伝承館や資料館で職人の仕事を見て、それから通りの店を回ると、値段の意味が分かるようになります。
工芸の型
三大工芸から。どれも産地で買うと、作り手の顔が近くなります。
- 樺細工
- 山桜の樹皮を貼る角館の工芸です。茶筒は蓋がすっと沈む精度が基準で、使うほど艶が育ちます。仙北エリアへ →
- 川連漆器
- 湯沢・川連の日用の漆器です。晴れの日の器ではなく、毎日の椀として使い倒せる丈夫さが身上です。湯沢・雄勝エリアへ →
- 大館曲げわっぱ
- 秋田杉を曲げて作る飯の器です。杉が水気を整えるので、冷めた飯がうまいのが実力です。大館・小坂エリアへ →
食の土産
軽くて日持ちして、帰ってからの食卓で旅が続くもの。
- 稲庭うどん
- 束の等級で値が変わります。贈答と自宅用は分けて選び、切り落としは自宅用の狙い目です。湯沢・雄勝エリアへ →
- いぶりがっこ
- 囲炉裏の煙で燻した大根の漬物です。チーズと合わせる食べ方も定着していて、酒の土産と相性抜群です。横手エリアへ →
- しょっつる
- ハタハタの魚醤です。鍋のためだけではなく、ひと垂らしで焼き物や汁物の味が変わります。男鹿エリアへ →
- 地酒
- 泊まった街の蔵の一本を。選び方は特集「雪国の酒を飲みに行く」に書きました。
どこで買うか
基準を見る場所と、まとめて買う場所を分けるのがこつです。
エリア別の買いもの帖
十一のエリアそれぞれの「買う」を、エリアのページから引いてきました。旅程に入っているエリアの分だけ読んでください。
- 秋田市
- 土産は駅ビルで全県分が揃います。地酒・銘菓・いぶりがっこの定番に、市民市場なら魚醤や漬物の量り売りが加わります。かさばるものは最終日に駅で、が基本形です。
- 男鹿
- しょっつる(魚醤)とハタハタの加工品が男鹿らしい土産です。なまはげの面の置物は大きさの幅が広いので、置き場所を思い浮かべてから選ぶと迷いません。
- 仙北
- 角館の樺細工が本命。茶筒は使うほど艶が育つ一生ものの土産になります。伝承館で本物の基準を見てから通りの店を回ると、選ぶ目が変わります。
- 大仙
- 花火のまちらしい花火グッズと、米どころの新米・地酒。県南の台所土産は道の駅が早道です。
- 横手
- いぶりがっこと発酵の調味料。直売所や道の駅で作り手ごとの味の違いを選べます。かまくらの季節は限定の菓子も出ます。
- 湯沢・雄勝
- 稲庭うどんと地酒のまちです。うどんは束の等級で値が変わるので、贈答用と自宅用を分けて選びましょう。蔵のまち歩きで買う一本は、旅の記憶ごと持ち帰れます。
- 鳥海山麓
- 象潟の岩ガキは季節もの、通年なら鱈の加工品と地酒。ねむの丘の産直で海側の土産が一度に見られます。
- 大館・小坂
- 曲げわっぱの本場。弁当箱は一生ものの値段ですが、おひつや小物から入る手もあります。秋田犬グッズの充実は県内随一です。
- 鹿角
- きりたんぽの本場。味噌つけたんぽや比内地鶏スープのセットが揃い、あんとらあの産直は朝が本番になります。
- 森吉・阿仁
- バター餅とマタギの里の山の恵みです。内陸線の駅売店は、列車待ちの時間で覗けるのにちょうどいい規模です。
- 能代・白神
- 木都・能代の桧の木工品と、白神の酵母を使ったパンや菓子。じゅんさいなど季節の水物は、産直が近道です。
心得
- 工芸は、伝承館で基準を見てから通りの店へ。選ぶ目がその日のうちに変わります。
- 酒は四合瓶で数を散らすのが旅向きです。荷物の重さと相談してください。
- うどんの切り落とし、規格外の実用品など、産地には自宅用の買い方があります。産直と直売所で探してください。
- 甘いものの型(ババヘラ・バター餅・生もろこし)は、特集「秋田の味を食べに行く」に書きました。

