
秋田犬に会いに行く
ふるさとの大館を中心に、本物の秋田犬に会える場所と、会いに行く前に知っておきたいことをまとめました。
会える場所
常設で会えるのは、生まれ故郷の大館が本場です。駅前の「秋田犬の里」で会い、保存会本部の「秋田犬会館」で知る、が基本の二本立てです。
秋田市なら、エリアなかいちの「秋田犬ステーション」で会える日があります(赤毛・虎毛・白毛が交代で出勤)。空の玄関・大館能代空港でも、月に数日、到着便を秋田犬が出迎えます。どちらも日程が限られるので、行く前に運営の告知を確かめてください。
秋田県立美術館秋田犬ステーションは県立美術館の隣街区です。美術館とセットで組めます。
どんな犬か
日本犬六犬種(柴・紀州・四国・甲斐・北海道・秋田)のうち、唯一の大型犬です。立ち耳と巻き尾、堂々とした体躯が特徴で、成犬は人の腰ほどの高さになります。写真の印象より二回り大きい、と思って会うとちょうどいいくらいです。
性格は飼い主への情が深く、初対面には慎重——もともと猟と番を担った犬種の気質で、誰にでも尻尾を振る犬ではありません。だからこそ、会えたとき・撫でさせてもらえたときの距離の縮まり方に、この犬種の本領があります。

ハチ公のふるさと
渋谷の忠犬ハチ公は大館の生まれです。生後まもなく東京の飼い主・上野博士のもとへ送られ、博士の死後も渋谷駅で帰りを待ち続けました。駅前に像が立ち、会館に資料が残っています。像の前に立つと、「待つ犬」として世界に知られた物語の出発点に、自分がいることになります。
犬種の百年
秋田犬はもともと、大館周辺でマタギの猟や番犬として生きてきた地犬でした。闘犬の時代に他犬種との交配が進んで姿が崩れ、純粋な血が消えかけたとき、大館の人々が保存運動を起こします。犬として日本で初めて天然記念物に指定されたのが秋田犬で、その保存会の本部はいまも大館にあります。
戦中には毛皮供出で激減し、終戦時に残ったのはわずかだったと伝わります。そこから血をつなぎ直して、いまの立ち耳・巻き尾・三毛色(赤・白・虎毛)の姿があります。大館で会う一頭一頭は、百年の保存運動の現在形でもあります。秋田犬会館の上階は犬種団体が運営する博物館としては国内唯一のもので、保存の歴史はここで通読できます。
世界へ渡った秋田犬
ヘレン・ケラーが来日した際に秋田犬を贈られ、アメリカへ連れ帰った話は保存史の名場面として知られています。近年ではフィギュアスケートのザギトワ選手に贈られた「マサル」が世界のニュースになりました。AKITA の名は犬とともに海を渡っていて、大館の駅前で会えるのは、その本家本元ということになります。

冬がいちばん似合う
雪の中で遊ぶ姿は、この犬種の原風景です。冬の大館は2月のアメッコ市とも重なるので、犬と市を同じ日に見られます。
旅の組み方
モデルコース「秋田犬と鉱山の明治」が基本の線です。5月3日の本部展に合わせられれば、全国から秋田犬が集まる一日になります。
会いに行く前の心得
- 展示は犬の体調を最優先にした交代制です。お目当ての犬に会えるとは限りません。
- 触れ合いは施設のルールに従ってください。犬が休んでいる時間は、見るだけに。
- 実物は写真の印象より大きいと思って会うとちょうどいいくらいです。子ども連れは、距離の取り方を先に決めておくと落ち着いて会えます。

